短歌論7〜10 短歌論11〜




短歌論1

「短歌て何?」
「純粋呪文」




短歌論2

短歌の特徴を3つ挙げる。
1は携帯性。頭に入れて持ち運べる。それくらい印象深く刻まれる歌で
なければ短歌の意味はない。歌謡曲のように短歌も口ずさむ歌の一つ
であって欲しい。
2は一撃必殺性。ふつう短歌は意味がすぐわかる。受け手を速攻で感
動させたり、落ち込ませたりする。また「わかるでしょ」と共感を求める
より「これでも喰らえ」式が多い気がする。別名、秒殺性。
3は保存性。昔の日本語が現在の日本人に親しいのは歌のチカラが無
視できないと考える。「なり」「かな」とか。良い歌は古い言葉遣いもその
ままに保存される。これが長文だと、現代語に訳されてしまう。つまり、
今作った歌も何十世紀後も保存されるという事。だから、今の言葉遣い
をそのまま短歌にしたいなあ、と私は考えている。口語っぽく。

慧眼の方は気付いていると思うが「短歌は短い」というのを3通りにして
書いているに過ぎない。俳句なんて更に短いから、より携帯性があって、
より秒殺で、より保存が利く。今回書いた特徴は詩や散文に比べて、と
いう比較論です。




短歌論3

今回特に短歌論ではないかもしれない。
Coccoという歌手の「raining」という歌がある。
以下歌詞(作詞 こっこ)抜粋。メインのサビに近い。

行列にならべず 少し唄ってた
今日みたく雨ならきっと泣けてた

気付いた人って他にいるのだろうか。
57577。これって短歌じゃん。

<おまけ>
銭のないヤツはおれんとこへ来い
俺もないけど心配するな
見ろよ青い空 白い雲
そのうちなんとか なるだろう

以上がクレージーキャッツの「だまって俺についてこい」
作詞が青島幸雄。最初の2行が7777。後の2行が諸説あ
ると思うが7777とカウントしたい。
(見ろよ青い 空白い雲
「なるだろう」→「♪なるだあろおお」)
リズム的に77777777とラッキー数字を並べてるのは狙っ
たのか。人生で大事なのは「タイミングとC調と無責任。
あとは……緻密な計算」か

注1 紹介した歌詞は聞き取り等による再構成
なので原詞と表記の違う可能性があります。
注2 リズム的に5とか7とか数えています。ここ
だけの話ですが私は短歌をつくる時、正確な字
数よりリズムを優先します。e3は意図的に字数
をオーバーさせました。




短歌論4

寿司短歌というのを考えた。
寿司ネタを食べる順番に並べ、31文字
にし、趣味の良さとか心情とかを表現
する文学と食文化の新境地だ。いや、
思い付いただけで一首もつくってない。




企画「ワンピース」提示篇または短歌論5a

次の未完成の短歌に言葉を加えて「あなたの」短歌を完成
させてください。

唯一の いびつな形 XXXXX うつむく自由 くだらない覚悟

「わたしの」短歌は3月5日に「短歌論5b」に、また real and
fictional
の12番目のうたとして揚げます。
なにかイメージが浮かんで、言語化できそうな気がしてきた方
は是非、最後の一欠片(ワンピース) を探して埋めてください。
(メールは募集してません。送りたい人は念で送ってね。)


企画「ワンピース」解決篇または短歌論5b

唯一の いびつな形 旗にして うつむく自由 くだらない覚悟

これが「わたし」がハメた最後のピースです。
短歌はある局面パズルに似ると思います。
何故この企画をやったかと言うと、私がさんざん悩んだので皆にも
苦しんで 楽しんでもらおうかと思ったからなのです。
最初にキタのは「うつむく自由 くだらない覚悟」でした。
殺伐とした良い歌ができる予感です。
数年後にやっと出てきたのが「唯一の いびつな形」。
その数ヶ月後に繋げたのが「旗にして」です。
(「旗にして」以外に思い付いたのが
「抱え込め」「抱え込み」「守りぬけ」「守り抜き」
「引き受けて」「をポケットに。」「楯にした」「を放り投げ」

下の句先行というのは割によくある形で、一閃で完璧な完成形を
つくる、というのはあまりないです。稀に瞬間で出来ると気持ち良
いし楽だし天才かと錯覚できるんですけどね。
ではまた別の企画で。




短歌論6 Birth of Tanka

中学、いや高校だったかな、国語の教科書で宮柊ニ(しゅうじ)と出会い
「こいつはcool だ」と思って、短歌に注目したが、特に自分
でつくる事はなかった。
短歌と私を強く結びつけたのは別の契機。
初めて女の子とつきあった。思い返せば、あの頃は感覚がお
かしかったかもしれない。電車に座ってひとりで腕を組んで
ると彼女を抱いている感触が不意に蘇ったりしてた。
そんなこんなで、くだらない別れ方をした。「サザエさんが財
布を忘れた」とか、そのレベルのくだらない理由。何を言って
るかわからないと思うが、とにかく別れた。
女々しくFLYING KIDSのI wish…Merry X'mas(アルバム
THE BIBLE収録)をエンドレスで聴いてた。「僕等はなんにも
間違えてない」と唄う失恋のうた。(作詞 浜崎貴司)
そのころ私を襲っていたのはフラッシュバック。生活の中で不
意に彼女の顔が浮かぶ。笑顔とか。日になんども。放っておけ
ばおさまると思ってたが全然止まなかった。自分の体のメカニ
ズムがわからなかった。
当時の私がどういう思考の跳躍をしたのか思い出せないが、短
歌をつくった。彼女との恋愛を31文字に封じ込めた。
フラッシュバックが起きた時、それを心の中で唱えた。彼女の
事を考えようとする時、それを唱えて思考停止した。だって、
もう3ヶ月たっていた、別れてから。
その呪文は実効的だった。フラッシュバックはおさまっていっ
た。
この短歌は自分だけが覚えているようにしよう。誓った。それが
はじまり。



短歌論7〜10 短歌論11〜





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